本日は便秘について有名な便秘外来の小林弘幸教授の便秘解決法をご紹介します。
下腹ポッコリの一因、頑固な便秘。滞りがちな「腸の四隅」をもむ方法です。たった3分の「小林式腸もみ」で便秘を解決しましょう。
■腸と自律神経は密接な関係 もみほぐして不調を改善
「腸に便が滞留する、いわゆる便秘で、腸内環境が悪化する。すると、腸の動きも悪くなる。その結果、腸の血流やリンパが滞り、ひいては全身の冷えやむくみなどの原因にもなる」と言うのは、順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。
しかも、腸は自律神経と密接な関係にあります。自律神経は、体にスイッチを入れる交感神経と、主にリラックス、弛緩を促す副交感神経がバランスよく働くことで健康を保っています。副交感神経が優位になると腸のぜん動運動を促すが、現代人はストレスや不規則な生活で、交感神経が優位になりがちです。「自律神経のバランスが崩れると腸の動きが悪くなり、だるさといった体の不調や、イライラなど心の不調にもつながる。しかし、腸の動きを良くすれば、自律神経のバランスも整い、こうした不調も改善。」(小林教授)
つまり、まずは便秘の解消が大切です。便秘に悩む人には、3分の基本の腸もみをします。「腸は、皮膚の上から触れてダイレクトに刺激することで、機能を上げることが可能だ」(小林教授)
「基本の腸もみ」は、便が滞りやすい“腸の四隅”をつかんでもみほぐします。基本的に朝と夜の2回行い、食後1時間は避けましょう。「より効果を望むなら、副交感神経を優位にする呼吸法をマッサージの前に行う」(小林教授)
大腸の走行は上図のようになっているが、便が滞りがちなのが4つの曲がり角、つまり左右の肋骨の下と左右の腰骨のあたりです。腸の曲がり角をイメージしながら、以下の「小林式基本の腸もみ」を行いましょう。
【小林式 基本の腸もみ(3分間)】
左手で左の肋骨の下、右手で右の腰骨のあたりをギュッとつかみ、ゆっくりもみほぐします。両手とも上下を入れ替え、合計3分間行います。
■副交感神経を優位にする「1:2呼吸」を先に行おう
腸の動き(ぜん動運動)と自律神経は密接に関係します。腸もみの前に深い呼吸を心がけ、副交感神経を優位にすれば、効果も上がります。
【便秘の悩みタイプ別・腸もみでもっと出す方法】
基本の腸もみだけではイマイチ効果が実感できないという人は、「腸さすり」を組み合わせを行います。腸全体を刺激する動きを加えることで、より効果が期待できます。
また、便秘と下痢を繰り返す人、軟便になる人に加えてほしいのが「小腸ほぐしもみ」です。「小腸を刺激することで、健康な便形成を促す」(小林教授)
一方、ストレスからくる腸の不調が続く人は、小林教授が考案した「セル・エクササイズ」も組み合わせてみましょう。これは特に夜にお薦めです。ストレスで交感神経が優位になった状態から、副交感神経優位に促すと言います。「寝る前に行うことで、睡眠中の腸の働きが活発化し、翌日の便通を促す効果が期待できる」(小林教授)
■カチカチ便秘に悩んでいる人はこれ:「腸さすり」
基本の腸もみだけではお通じがこない場合は、腸の走行に沿って左から右へ手を動かして、さらに腸の動きを促しましょう。
■ゆるめの便に悩んでいる人はこれ:「小腸ほぐしもみ」
「小腸を刺激し、栄養分を吸収する機能を促すマッサージ」(小林教授)。あまり強く押しすぎると逆効果なので、最初は軽い力で行いましょう。
■ストレスが強い人はこれ:「セル・エクササイズ」
両手を上に伸ばし、自分が1本の木になったイメージでストレッチをします。血液が全身の細胞(セル)に行き渡り、自律神経のバランスが整います。